東京都世田谷区でNTTドコモの基地局設置をめぐるトラブル、母親らがマイクロ波の人体影響を懸念

■黒薮哲哉

東京都世田谷区でNTTドコモの携帯電話基地局の設置をめぐり、同社と住民の間にトラブルが発生している。

基地局の設置が予定されているのは、世田谷区奥沢2丁目11番13号にあるマンションの屋上。工事を担当する会社が「工事のお知らせ」と題するチラシを配布したところ、子どもを持つ母親らから工事の中止を求める声があがった。

工事は4月22日から6月30日までの予定で行われる。現時点では、基地局の設置までには至っていないが、このまま工事が進められた場合、トラブルが拡大する可能性もある。

携帯基地局の設置を巡っては、全国各地でトラブルが発生している。訴訟になったケースもある。その背景には、携帯電話(スマフォ、無線PCなど)の通信に使われるマイクロ波による健康被害の報告例が多数存在するからだ。特に海外では、数多くの疫学調査が行われてきた。

もちろん、マイクロ波の安全性については肯定論もある。しかし、WHOの外郭団体であるIARC(国際癌研究機関)は、2011年5月30日にマイクロ波に発癌性がある可能性を認定している。リスクがあるとする説に立っているのだ。マイクロ波の遺伝子毒性を問題にしている。

◆総務省の安全基準

しかし、日本の総務省は、マイクロ波による人体影響について、おおむね否定的な見解を取っている。安全と評価している。それは総務省が定めている安全基準の数値に象徴されている。日本の安全基準とEUの提言値、あるいはザルツブルグ市の目標値を比較すると、それが一目瞭然となる。

日本:1000μW/cm2

EU:0.1μW/cm2 (屋内は、0.01μW/cm2 )

ザルツブルグ市:0.0001μW/cm2

日本の安全基準は異常に高い。これでは規制になっていない。

なぜ、このように数値に大きな差が出るのだろうか?それはマイクロ波がもつ「毒性」についての見解の違いに原因がある。

総務省は、マイクロ波が及ぼす人体影響は、電子レンジと同様に「加熱」によるものだけであって、それ以外の要素、たとえば遺伝子に対する毒性などについては、否定している。

これに対してEUなどは、マイクロ波には遺伝子毒性があるという立場を取っている。それゆえに基準値のハードルも高くなり、日本に比べて、極めて低い数値を設定しているのである。予防原則を重視した結果にほかならない。

◆NTTドコモの見解

世田谷区奥沢の基地局問題について、NTTドコモの広報部は次のように話している。

「近隣の一部住民の方から、基地局建設に関するご質問をいただいているのは事実です。お客様には、個別に対応させていただいている状況です」

・・・・工事の中止を求める声もありますが?

「まず、お話をしっかりおうかがいしている状態です。」

・・・・一時的に工事をストップしないのですか?

「工事自体がまだ始まっていません。お客様には個別に対応させていただきます。まずは、お客様の話をしっかりお伺いするということです」

・・・・集団での説明会は考えておられないわけですか?

「そこはお話をうかがって、その中で・・・ご意見をいただいている方に関しては、個別に対応させていただいている状況です」

◆「電磁波からいのちを守る全国ネット」が集会

「電磁波からいのちを守る全国ネット」は、5月16日に、東京都板橋区の板橋区立グリーンホールで、講演会とシンポジウムを開く。詳細は次の通り。

電磁波問題の東京集会案内PDF

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