沖縄県読谷村で楽天の基地局設置をめぐるトラブル、 「28GHz」の使用も想定、「近隣住民には説明する必要がない。」

携帯電話の通信基地局の設置をめぐるトラブルが後を断たない。10月30日に沖縄県中頭郡読谷村字高志保の垣内成子さんから、「電磁波からいのちを守る全国ネット」に相談があった。

トラブルの対象になっているのは、垣内さんが住んでいる賃貸マンションに設置を計画している基地局である。電話会社は楽天モバイル。

楽天が住民に対して、11月8日から30日の予定で基地局を設置する旨の告知をおこなったのを受けて、垣内さんから「全国ネット」に相談があった。

◆三木谷CEOや総務大臣に内容証明で抗議

この事件の発端は、今年4月である。楽天は、垣内さんが住む賃貸マンションに基地局を設置する方向で動きはじめた。しかし、住民らがこれに反対。マンションの住民、近隣住民、村議会議員ら11名が楽天に説明を求めて話し合った結果、工事は一旦中止になった。

その後、垣内さんらは7月に、楽天の三木谷浩史CEOと山田喜久社長宛に「基地局建設中止を求める要求書」を送付した。また、総務大臣にも「高志保地区に建設予定の携帯電話基地局に関する要望書」を送付した。

さらに9月には、読谷村議会に対して「携帯電話基地局設置に関する条例の制定を求める陳情」を提出した。その際、238筆の署名を添えた。

こうして一時は、楽天の計画を阻止した。

しかし楽天は、10月の末になって再び設置工事を進める方向で動き始めた。そして11月8日に工事を開始する旨を告知したのである。

◆ミリ派による人体影響、高リスク

通信基地局の仕様は、わたしが現地の住民運動から得た資料によると次の通りである。

周波数:1.7GHz(アンテナは3本、4G仕様)
               ※ただし設計上は3.7GHz・28GHz

電波放射距離:半径600m~1Km

読者に注目してほしいのは、「28GHz」の部分である。これは極めて高い周波数(ミリ波に近い)の使用を意味している。周波数が高ければ高いほど危険度が増すという法則はないが、そのような傾向があることは否定できない。また、ミリ派による人体影響に関する研究の結論はまだ確定していない。ほとんど進んでいないのが実態だ。ミリ派の使用を想定した基地局を設置することは、「見切り発車」のリスクを秘めている。

◆「近隣住民には説明する必要がない」

11月1日、わたしは楽天の現地担当者である鈴木開登氏に電話で事情を問い合わせた。その結果、楽天の言い分は次の通りである。

①総務省の電波防護指針を守っていれば安全だ。

②健康被害がでた場合は、楽天として対応を検討する。

③賃貸マンションに基地局を設置する場合は、近隣住民には説明する必要がない。

④11月8日から予定どおりに工事をはじめる。工事の告知は、1週間前に行った。

このうち③は、問題発言である。賃貸マンションの場合は、オーナーの考えを優先して基地局を設置してもいいと言っているのである。近隣住民のことは考慮していない。

わたしは、楽天本社も鈴木開登氏と同じ見解なのかを問い合わせるために広報部宛にメールを送付した。「事実関係に間違いがある場合は、至急にご連絡ください。明日中(2日)に連絡をいただけない場合は、鈴木様の話を事実と解釈します」と伝えた。

【参考記事】楽天の基地局設置をめぐる係争、懸念されるマイクロ波の遺伝子毒性、地主が反対住民に、「損害賠償請求の検討に入った」

【参考記】危険極まりない総務省の電波防護指針、背景に電波利権企業との親密な関係

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