5Gの推進派まがいの共産党・本村伸子議員の国会質問、総務省の答弁をうのみ

■黒薮哲哉

4月16日付けの『しんぶん赤旗』が「5G人体影響調べよ 本村氏『国民に不安の声』」と題する記事を掲載している。

日本共産党の本村伸子議員は7日の衆院総務委員会で、電波法改定案をめぐり、5G(第5世代移動通信システム)のエリア拡大の考え方、料金値上げや基地局増加に伴う人体への影響など検証すべきだとただしました。■出典

国会質問は、ウェブサイトで視聴することができる。そこで早々に、視聴してみた。

内容は期待に反して、とんでもないものだった。

5Gの推進にストップをかけるための追及というよりも、むしろ国の電波政策を容認する方向性で質問が行われたことに違和感を感じた。質問自体が茶番劇にように感じられた。

本村議員が質問して、それに総務省が答えるかたちで総務省の立場をPRするパターンになっているのだ。たとえば、5Gに使われる電磁波による長期の人体影響について本村氏が質問して、総務省が電波防護指針に従って運用するので安全性に問題はないと答弁する場面がある。(2:23:30秒~)

本村議員は答弁に納得して、反論も追及もしなかった。

日本の電波防護指針は、1000μW/cm2.である。これに対してたとえばEUは、0・01μW/cm2. (室内)である。なぜ、これだけ大きな差があるのかといえば、総務省の電波防護指針が1990年代以前の古いデータを基に設定されていて、最近の研究で分かってきた電磁波のもつ遺伝子毒性などはまったく考慮に入れていないからにほかならない。

たとえば、アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告は、2018年にマイクロ波と癌の関係は明白と結論づけている。マウスを使って実験で、心臓の腫瘍のリスクなどを指摘している。

ちなみに無線通信は、EUの0・01μW/cm2. でも十分に可能だ。それにもかかわらず日本の総務省が1000μW/cm2.といった基準値にしているのは、おそらく電磁波の軍事産業への転用を想定しているからである。たとえば、次の記事である。

筑波大学システム情報系の嶋村耕平助教と同プラズマ研究センターの假家強准教授らによる研究グループは2020年4月、マイクロ波を用いたワイヤレス給電によってロケットの推力を生成し、この時の総合推進効率を詳細に測定したと発表した。■出典

◆◆
電磁波問題についての共産党のスタンスがよく分からない。たとえば吉良よし子議員も2014年4月に、国会質問の場で不通話地区への基地局設置を求める質問を行っている。かと思えば、紙智子議員は、それ以前の時期は、電磁波問題に警鐘を鳴らしていた。

質問者でありながら、5Gの何が問題なのかをよく理解していないのではないか?

5Gは大企業の権益がかかった巨大ビジネスである。住民の健康を犠牲にした巨大プロジェクトである。その野望を支援するようであれば、野党の意味がまったくないのである。

共産党が小沢一郎氏と共闘することもおかしな話だが、電磁波問題で5G推進派に加勢するのもどうかしている。方向性が間違っているのではないか。

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