総務省とNTTの特別な癒着関係、総務省の非常識な電波防護指針に影響か?

総務省幹部らが、NTTから高額接待を受けていたことが、週刊文春の報道で明らかになった。それをうけて武田良太総務大臣が陳謝した。

携帯電話の基地局設置をめぐる問題に取り組んだことのある人にとって、NTTが総務省を接待していた事実は、日本の電波防護指針(規制値)が世界一ゆるやかに設定されている背景を考える上で考慮すべき点である。結論を先にいえば、NTTと総務省が水面下で癒着してきた可能性が高い。そしてこの腐敗の恩恵を、他の電話会社も受けている可能性も高い。

携帯電話やスマホの交信に使われるマイクロ波の規制値は1000μW/c㎡である。この数値は、たとえば欧州評議会の勧告値0.1μW/c㎡に比べて、1万倍もゆるやかに設定されている。実質的には、まったく規制になっていない。世界標準とされる国際非電離放射線防護委員会が定めている規制値をも超えている。

いわば総務省は、電話会社がやりたい放題のビジネスを展開できるように配慮しているのである。

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携帯電話の設置をめぐって電話会社との間でトラブルが発生した場合、住民らは当然のプロセスとして、電話会社と交渉することになる。その際に電話会社が常套手段として持ち出してくるのが、次の論理である。

「総務省の電波防護指針を遵守しますから、絶対に安全です」

基地局設置をめぐるトラブルが起きている自治体の役所に問い合わせても、同じ常套句がかえってくる。

「総務省の規制値を守っている限り、自治体に電話会社の活動を規制する権限はありません」

基地局の撤去を求める裁判においても、裁判所が判定の基準にするのは、電話会社が電波防護指針を守っているかどうかである。1000μW/c㎡を、ほんの少しでも下回っていれば違法行為にはならない。異常な数値とはいえ、違法行為にはならない。

ところがこの総務省の電波防護指針が、高額接待によって維持されてきた疑惑が浮上してきたのである。少なくとも総務省とNTTグループがずぶずぶの関係であることは疑いない。

総務省は、現在の非常識な電波防護指針を見直して、欧州評議会なみに電話会社の活動を規制すべきだろう。少なくとも民家の近くや、ビルの上に基地局を設置することを禁止すべきだろう。

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