【書評】加藤やすこ著『5Gクライシス』、知っておくべき電磁波による人体影響

執筆者:黒薮哲哉

遠隔診療、自動運転、防犯、高速のダウンロード。5Gの波が日本にも押し寄せてきた。メディアは5Gをバラ色に描き、電話会社はひたすら無線通信網の公益性をPRしているが、背景にあるのは、かつてのエコノミックアニマル(商社マン)の無法ぶりを連想させる巨大ビジネスの黒い影にほかならない。

利便性追求の裏側には落とし穴がある。5Gで懸念されているのは、無線通信に使われる電磁波による深刻な人体影響である。5Gでは従来の携帯電話で使われてきた電磁波とは比較にならないほど強いエネルギーの電磁波が使われる。それが日本の津々浦々まで生活空間を飛び交うことになる。

基地局も飛躍的に増える。その兆候が浮上して、いま全国各地で基地局の設置をめぐるトラブルが多発している。電話会社による強引な基地局設置が水面下の社会問題になっているのである。総務省も電話会社に便宜を図っている。

本書『5Gクライシス』は、5Gをめぐって今なにが起きているかを具体的な例を示して報告している。たとえば昨年、愛知県の一般道で自動運転の実験をしていて、一般車との衝突事故が起きた。

フランスのパリでは、無人運転の地下鉄車両が、停止しなくなり3駅を通過する暴走事故が起きている。日本では、横浜のジーサイドラインで車両が車止に衝突する事故が起きた。

一見すると無線による制御は合理的にみえるが、常に危険と隣り合わせだ。電力の供給がストップ(ブラックアウト)すると、たちまち都市機能が麻痺してしまう。危険と隣りあわせなのである。

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海外では5Gの推進を見直す動きも生まれている。その背景に、電磁波による人体影響に関する科学的な裏付けが明らかになってきた事情がある。マスコミもそれを伝えている。

・とくに懸念されているのは、カルシウムイオンチャネルへの影響です。カルシウムイオンは、神経伝達物質の放出、筋肉の収縮、遺伝子の発現、免疫細胞の活性化、細胞の自然死(アポトーシス)、免疫細胞の活性化などほとんど全ての生命活動に関わります。

ウクライナのイゴール・ヤキメンコ博士は、弱いレベルのマイクロ波でも活性酸素を増やし、抗酸化物質の活性を変化させ、細胞を酸化させ、DNA破傷を起こし、ガンを誘発することが、動物や培養細胞を対象にした多数の実験で明らかにされてきたと述べています。活性酸素の増加は、睡眠障害や頭痛、発達障害、うつ、疲労感などの原因の一つと考えられています。

電磁波に被曝すると、さまざまな人体の不調があらわれる。しかし、日本では電磁波による人体影響自体がほとんど報道されていないので、そもそも電磁波による害という認識がない。たとえば頭痛になっても、それを電磁波の影響として、考察してみる予知がない。癌を発症しても、電磁波の影響を疑うこともない。

イスラエルのウルフ博士は、ネタンヤ市の基地局から350メートル以内に3~7年住んでいる622人を対象に調査し、発ガン率が全市平均より3.5倍高い、と報告しています。とくに、女性の発ガン率は10.5倍と、非常に高くなりました。

 ・イギリス全土7カ所で疫学調査も行われ、基地局周辺は発ガン率が高いことが2007年に報告されています。

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ヨーロッパでは、5Gを見直す動きが活発化している。たとえば今年の2月に、スイス連邦環境局が5G基地の使用停止を自治体に通達した。
ベルギーでも5Gの導入はペンディングになっている。

日本で5Gが問題視されない背景に、ジャーナリズムの問題がある。電話会社がマスコミの大口スポンサーであるから、電磁波問題には触れない傾向があるのだ。

本書は正面から5Gに警鐘を鳴らしている。将来、無知の涙を流さないためにも、読んでおく必要がある本なのである。

タイトル:5Gクライシス
著者:加藤やすこ
版元:緑風出版

 

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